WEBシステム開発の見積の出し方について考えてみました


20130322 04

お仕事をする上で、見積もりってすごーく大事ですよね。

WEB業界はフリーランスの方も多いので、概要から見積を作成する時は人によってバラバラになりやすいです。

大規模開発をされている方であれば工数の算出方法にルールがある場合もありますが、今回は割りと小・中規模案件でWEBシステムを開発している場合を考えてみました。

出来るだけ納得できる見積を出せるように、算出の仕方について改めて考えてみます

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見積もりの種類

WEB制作で見積もりを作成する場合、大きく分けると3種類あります。

超概算見積書

予算を検討する段階で、費用を把握するために依頼される見積です。
ざっくりとした金額を見積書で提出するか、口頭で金額を回答することが多いのが特徴。
プロジェクトの趣旨がはっきりしないと、見積もり額は実際の200%程度になる可能性もあります。

この段階の見積の考え方はこちらの記事が非常に良くまとめられています。
【WEB制作などの依頼で「概要」しかわからないのに「とりあえず見積が欲しい」と言われたとき、私はこんなことに気をつけています】

概算見積書

企画書(提案書)と一緒に提出する見積書。
RFPを受け取っていれば、見積精度が高くなります。
この段階になると相見積もりを取る企業が多くなります。
最近だと、一括見積サイトで相見積もりを取るパターンも増えてきています。
相見積もりの場合は少し安めに設定する場合も。
見積もり額は実際の125〜150%程度を想定します。

正式見積書

概算見積書をもとに、作業内容や工程、単価、数量、ページ数などできるだけ正確にしたものが正式見積書。
公式な見積書であるため、有効期限内に発注契約を結ぶ必要があります。

工数計算の計算方法について

さて、見積もり金額を出すのに根拠が必要ですが、
金額の根拠として工数という考え方があります。

この工数というのが見積もりを難しくしているポイントです。
人によって作業時間が変わるため、誰が作業しても赤字にならないような工数単価にする必要があります。
工数計算には、大きく3つのステップがあります。

「作業工数」と「バッファ」を割り出す

システム開発に作業日数(仕様検討、実装、デバッグ)と予備のために確保する日数(バッファ)を出します。
工数の算出は作業する人の経験値に依存する場合があるので、注意が必要です。

そしてバッファの確保。
バッファとは不測の事態に備えて作業工数とは別に確保する日数の事。
バッファの日数は 「作業工数 × 0.2~0.5」 程度にするのが一般的なようです

制作費を計算する

先ほど計算した作業工数とバッファに単価を掛けて制作費を出します。

工数 x バッファ x 単価

という計算です。

仕様要件定義とコーディングでは単価を変えるなどして、全体を調整します。

単価とは、作業担当する人が1日にかかるコスト(人件費や諸経費等)と「利益」の両方が含まれたものになります。
経験やスキルによって変動していきます。

作業項目を洗い出し、それに工数をかけて金額を算出します。

作業項目 計算方法
進行管理費 ディレクター単価 × 工数
企画費 プランナー単価 × 工数
サイト設計 ディレクター単価 × 工数
システム設計 SE単価 × 工数
サーバ設定等 エンジニア単価 × 工数
プログラム開発 プログラマー単価 × 工数
動作確認・デバッグ テスター単価 × 工数

ここでの見積はコストと利益が含まれている事が重要です。
これが開発の最低限必要な金額のため、クライアントの予算がここより下回って受ける場合には注意が必要です。

総制作費を計算する

開発費が分かったので、ここからさまざまな諸経費を加えて総制作費を出します。
リスク調整費、ノウハウ提供費、諸経費(素材購入や写真撮影費)などを想定した上で最終的な金額を作成します。

急な変更や追加要望について

システム開発は開発が最終段階に差し掛かってから見て触れる物が出来るのがほとんどです。
そのため触ってみてから「あ、ここが違う」と仕様変更がある場合があります。
予測できない作業なので、これ自体を見積もるのは難しいですが、この辺りの対応をどうするかは打ち合わせで話をしておかないとトラブルの元となります。
(アジャイル開発というのもありますが、議論が分かれる所です。)
参考
アジャイルがダメだと思う7つの理由

クライアントによってはサイト公開後に修正要望が来る事もあるので、修正には費用がかかる事、クライアントが想定していない場合にどのように対応するかなど、お互いのために取り決めをしていた方が良いですね。

大事な事は、見積もりに対してきちんと納得してもらえるかが一番だと考えています。

もっと違う見積もりの仕方、考え方があるという方がいれば教えてもらいたいです!

以上、WEBシステム開発の見積の出し方について考えてみました

 

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